水道事業においては、従来より民間企業の活用が進められております。水をきれいに処理する浄水場の運転・保守、水道料金の徴収などの業務について、多くの水道局は専門の企業に委託しております。

一方、コンセッション方式は、事業の運営を民間企業に担わせる制度です。国や各自治体の今後の検討によりますが、事業運営を民間企業に担わせる場合、現段階で想定される導入のメリットとして、以下のような効果が期待されます。

① 運営ノウハウの継承と雇用機会の創出

前述のような民間企業が設立する新しい事業会社に水道局職員の方々が出向して事業を開始する場合、事業会社には公務員の採用規制は適用されませんので、地域の若い人材を雇用し、出向してくる水道局職員の方々の知見を継承することが可能となります。失われつつある熟練職員の知見を維持し、且つ地域に雇用を生み出すことが期待されます。

② 運営の効率化

コンセッション方式により民間企業に事業運営を任せるということは、民間企業が利益を取る(投資を回収する)ことを認める一方、事業に伴うリスクも負わせることになります。民間企業は限られた料金収入の中で、どこにお金をかけるべきか追求することになります。安かろう悪かろうでは、事故などが起きた場合に却って高い費用がかかることになります。とは言え、全てにお金をかけていては、料金は上がるばかりで、結果、無駄な投資も出てきます。民間企業にリスクとリターン(利益)を与えることにより、サービス業としての効率化が進むと期待されます。

また、事業運営を委ねられた会社は、民間企業である為、行政内部の様々な制約がかかりません。この為、これまでは公共の調達制度により採用が難しかった最先端技術なども導入効果があれば柔軟に採用することが可能になると期待されます。

③ 広域化

日本の水道サービスは原則的に市町村単位で経営されており、前述の公営による水道サービス継続の危機は、中核都市の水道事業より、中小の水道事業において、より深刻な状況となっております。

ある市でコンセッション事業者として選定された会社が、近隣の市町村の水道サービスにも展開することになれば、市町村にとってサービス継続の助けになるばかりではなく、市町村の枠組みを超えた効率化が図られることが期待されます。

また、ある市の水道局が他市に展開するのではなく、民間企業の事業拡大ですので、自治体ごとに柔軟に業務内容を検討できますし、水道事業同士を統合する際に問題となる料金を統一する必要も無く、実効的な広域化を推進できることが期待されます。

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