㈱ジャパンウォーターの西原です。

さて、更新が遅くなりましたが、今年4月に大阪市が平成27年度の実施を目標とした水道事業民営化の基本方針案を纏めました。

本件は公共施設等運営権制度を活用し、市が資産を保有する上下分離方式の民営化により経営の効率化を目指す方針を打ち出しております。

本件は今年の11月にも実施方針案をまとめ、平成27年度を目途に、まず市が100%出資する運営会社に水道事業認可及び料金の徴収から維持管理、施設更新まで水道事業の大半の業務を引き継ぎ、その後5年以内を目途に民間の出資を受け入れる予定です。

 

運営会社の体制

出典:大阪市水道局 平成26年4月 水道事業民営化基本方針(案)

 

事業契約期間は30年程度としており、その間、運営会社が市に支払う事となっている運営権対価は最低2,300億円と設定しています。

 

運営会社の資産イメージ

出典:大阪市水道局 平成26年4月 水道事業民営化基本方針(案)

 

市が抱えている企業債残高及び利息(企業債2,000億円、利息300億円)を全て、運営権対価で賄う事を前提としており、運営会社は市の償還スケジュールに合わせて、30年の延払いで市に運営権対価を支払うこととなっております。

事業の見通しとしては市の試算によると、ダウンサイジングや発注方法の見直し、人員削減等の効率化により、水道管の耐震化のペースアップや水道料金の引き下げを実施しても、民営化後30年は黒字を確保できる見通しです。

管路耐震化のペースアップとしては年間の管路更新延長を現行の55kmから最大80kmに向上させ、契約満了(平成57年度末)までに鋳鉄管延長を887kmから0kmに、管路耐震化率を23%から全体の2/3に改善する事を目標としています。

一方、効率化による収益改善の内訳は基本方針に記載されていますが、具体的な削減方法や前提条件などは記載されておらず、更なる検討が見込まれます。

 

民営化による管路整備目標

出典:大阪市水道局 平成26年4月 水道事業民営化基本方針(案)

 

水道料金については、市が実施方針及び条例にて水道料金の上限を定め、運営会社はその範囲内で水道料金を設定します。

水道料金の上限の変更については5年毎の定期レビューにおいて市と協議の上、議会承認を通して、変更する事となります。

リスク分担については原則事業リスクは運営会社が負う事としており、自然災害などの不可抗力リスクは市と協議の上、対応すると記載しています。

他方、契約骨子には運営会社が自主的に同事業からのExitができるような条件の記載はありません。

 

市はこの基本方針を発表後、民間事業者の運営会社への出資や業務提携などに関するニーズを把握するため、マーケット・サウンディング(市場調査)及びパブリックコメントを実施しており、同調査結果の

公表は今年7月となる予定です。

 

想定スケジュール案

出典:大阪市水道局 平成25年11月 水道事業民営化について(検討素案)