(株)ジャパンウォーターのカトパンこと加藤綾子です。

 

水道法改正案は今年の196回通常国会で衆議院を通過し、参議院で継続審議となっていましたが、今回の197回臨時国会参議院本会議で可決され、衆議院本会議で可決成立しました。

 

水道法改正案が成立したことにより、官民連携手法の選択肢が広がったことで、官民連携が更に進むことが期待されます。

今回の水道法改正の一つに公共施設等運営権制度(いわゆる、コンセッション)の導入があります。

コンセッション導入により更なる民間のノウハウを導入し、これまで先送りにされてきた老朽化した設備・管路等の耐震化や更新、事業経営の改善、官がこれまで培ってきた信頼、安心、安定など、それぞれの得意とする分野を融合することでより、良い水道の未来が期待できます。

 

参議院で採択された附帯決議10項目の全文は以下の通りです。

 

□附帯決議(全文)

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一、水道の基盤強化に当たっては、水道が極めて公共性の高い、国民の日常生活や命にも直結する貴重な財産であることを踏まえ、全ての国民が水道の恩恵と安心・安全な水の供給を将来にわたって享受できるよう、国、地方公共団体及び水道事業者等の相互の連携を深めること。

二、将来にわたって国民生活の安心と安全を確保するとともに、大規模災害の発生等にも備えるため、管路の老朽化への対応及び耐震化の推進等、水道施設の継続的な更新と整備に万全を期すとともに、地方公共団体において施設整備の体制を支える人員及び予算が十分に確保されるよう努めること。また、災害時における速やかな応急給水・応急復旧を図るための組織体制、災害対応システム等が十分に整備・運用されるよう、必要な措置を講ずること。

三、水道の基盤強化を図るために、水道事業に携わる人材の確保、技術の継承及び労働環境の改善が必要であることに鑑み、地方公共団体がこれらを実現するために必要な支援を行うこと。特に官民連携を行うに当たって、この点が重要となることを十分認識し、事業運営に支障を来すことのないよう、海外の再公営化事例の検証を含めて総合的な施策を講ずること。

四、水道の基盤強化の基本的かつ総合的な施策の推進に当たっては、中山間部、過疎地域や人口減少の著しい地域等の自然的・社会的条件の厳しい地域を抱える地方公共団体や、経営基盤が脆弱な小規模の水道事業者に十分配慮して、必要な技術的・財政的援助を行うこと。

五、水道施設運営権の設定については、水及び水道施設が国民共有の貴重な財産であること、また、重要な生活インフラである水道事業に外国資本が参入する可能性や、将来的に料金が高騰したりサービス品質が低下したりする可能性に留意し、その決定は厳に地方公共団体が住民の意思を十分に踏まえた上での自主的な判断に委ねられるべきであることを大前提に、公正かつ公平な手続や透明性を十分に確保した民間事業者の選定を含め、公共性及び持続性に十分留意したものとなるよう、地方公共団体において検討すべき事項の具体的な指針を本法施行までに明示すること。

六、水道施設運営権の設定の許可に当たっては、地方公共団体において民間事業者の運営状況をモニタリングするための適切な体制が確保されているかについて厳格に審査を行うとともに、水道料金や水質基準への適合などの規制・モニタリングが確実に実施され、必要に応じ第三者による確認も得つつ、運営における公共性・公平性・公益性の確保を明確にするための具体的な指標等を示すこと。

七、水道施設の維持管理、修繕及び計画的な更新が、地域の生活インフラの基盤として極めて重要であることに鑑み、これらの措置が適切に行われるよう、必要な支援を含めた包括的水道事業システムの構築に努めること。

八、指定給水装置工事事業者の更新時に取得する修繕対応の可否等の情報、修繕時のトラブル防止や悪質商法に関する情報等を水道利用者に分かりやすく提供するよう、水道事業者に対し指導すること。また、給水装置工事主任技術者、配管工事に携わる者の技術・技能の維持・向上を図るための研修の充実等を通じて指定工事事業者の質の向上を図ること。

九、水道の需給バランスの平準化を進める観点等から、水道スマートメーターを含む周辺機器の研究及び開発を促進するため、必要な措置を講ずること。

十、上工下水、農業用水等の人間が利用する水のみならず、表流水、地下水等を一体として捉える水循環の視点から水利用の最適化を図ることにより、低廉で高品質な水道水を供給できる体制の維持に努めること。