公共事業の入札において、発注者が満たすべきサービス水準や保証事項等の性能(Performance)を詳細に規定した発注方式のこと。欧米諸国の民間活用の手法として一般的なものです。
性能発注では、発注者が要求する一定の性能を確保している限り、要求性能を確保するための具体的な手法等のプロセスについては民間の自由裁量に任せるため、民間の経営ノウハウや技術力を活かした創意工夫が発揮しやすいと言われています。一方、民間にとっては自由裁量が拡大する分、負うべき責任も大きくなります。

また性能発注では、手段・手法やプロセスではなく結果が求められるので、性能確保のために投じた方法等が例え適正でも、結果として性能が確保できず性能未達となったのであれば、その責任を負い、予め規定されたペナルティー(違反金)が課せられます。
一般に、業務範囲は包括的で、かつ契約期間は複数年から数十年と比較的長く、民間の自由裁量が大きいため、PPPPFI 事業に利用されます。
一般に性能発注の場合は、公募型総合評価落札方式や公募型プロポーザル方式より行われることが多いようです。

性能発注は適正に導入すれば、公共団体等にとっては効率化やサービス品質の向上が期待でき、民間にとっては自由裁量による収益向上が期待できる有益な方式ですが、利用者へのサービス提供者が公共団体等である PPP/PFI 方式では、うまく機能していないことが多いようです。
その理由として、何らかのトラブルが生じた場合に利用者への説明責任はサービス提供者である公共団体等が負うことから、仕様による制限を設定せざるを得ないこと、結果として業務プロセス(やり方、方法・手段)に介入せざるを得ないことが要因の一つと考えられます。
この結果、民間の自由裁量が制限され、「責任(リスク)と自由(効率化)」のバランスが崩れ、官民双方にとって期待した効果が得られない等の状況も散見されます。

一方、民間が利用者へのサービス提供者で、かつサービス提供の対価として利用料金を利用者から直接収受する PPP/PFI 方式では、公共団体等がサービス提供者である場合に比べ、性能発注は機能しやすいと考えられます。これは、民間がサービス提供者として利用者への説明責任を負うため、公共団体等が業務プロセスに介入する必要がなくなるためです。加えて、独立採算型とすることで、民間の利用者に対する説明責任は更に大きくなります。

参照:国土交通省「性能発注の考え方に基づく民間委託のためのガイドライン」

性能発注の留意点
性能発注では、「責任と自由」のバランスが重要
性能発注は、民間の自由裁量を拡大することで事業経営を効率化とサービス公共に期待するとともに、公共団体等が負うリスクを民間に移管するための手法です。
公共団体等が過度に民間の自由を制限すれば、相応して効率化は制限され、責任も相応して公共団体等側に移行します。また、民間のリスクが拡大すれば、相応してリターンも拡大する必要があります(下図参照)。

性能発注では、官と民の役割分担を明確にした上で、民間がリスクに見合うリターンが享受できるように、「責任と自由」のバランスを如何に設計するかが重要で、これが性能発注の成否を決すると言っても過言ではありません。